ここ一年で梅田氏のブログと？ブの相乗効果で、突如アルファブロガーとして降臨したLife is Beautifulの中の人の会社の技術。一言で説明すると、AJAXチックな家電／モバイルプラットフォーム、Flash Liteの競合。

CNETの記事を読む限りUIEngineの着地地点は、「いわゆる通常のFlash」ではなく新生Adobeの「Flashプラットフォーム構想」とまったく同じポジションっぽい。

しかし、実際のところGoogle大先生で"UIEngine UIEvolution"と検索して、数百件しかヒットしない。クライアント名の大きさにくらべて不自然に露出が少ないのが懸念要素か。B2Bゆえの露出の少なさと考えたとしてもあきらかに少ない。正直なところ現状では実体がまったく見えず、単なる自社Platformにすぎない可能性もある。

現時点でUIEngineという単語が世界で716件、CNETで扱われたのはEngine自身の評価というよりブログのハロー効果と考えるべきか。おそらく記事の効果でGoogle日本ではヒット件数で3000件以上の上方修正をうけると思われるが、今回の記事での海外への認知度のプラス効果はなさげ。

規模的にAdobe(Macromedia)やMicrosoft Expression並に、再生プレイヤーを普及させる体力がなさそうなことを考えると、戦略としては組み込みを主軸なのかな。その場合、短期間(Flash Platformの人材の囲い込みまでの間）にどれだけ多くのディベロッパーを確保できるかどうかが勝負どころになりそう。すでに一昨日の時点で、Flash Lite2が発表され外部データの読み込みや、XMLの扱い、OOPによる開発等はモバイル用Flashでも実現されてるし、アドバンテージがちょっと見えない。ブログでの思想のオープンっぷりに対して、UIEngineの本質が隠蔽されてるのが気になる。

あとFlash業界意外ではスルーされがちだけど、Flashの言語をJavaScript以下の玩具言語だと思ってる人は、次期ActionScript3のリファレンスを一応見たほうがいい。意外とゴッツイ言語に進化してるので。

個人的には、UIEngineのような「破壊的イノベーション候補」に対する最善の対策というのは、Googleの20%研究ルールのように、非階層的な小規模遊撃部隊によって、新興勢力がマジョリティーを獲得する前に各個撃破やノウハウの奪取することだと思う。

そういう意味では、自分のとるべき戦略は、現状のところは氏のブログを読んでビジョンを吸収して、実装はAS3やFlash Liteというのが吉かなという感じ。ブログの流れは時流に乗ってるので、スルーしてると足元はすくわれそう。万が一の場合は、Flashを捨ててMicrosoft ExpressionやAjax、UIEngineに逃亡する選択肢も容易する方向で。

一応は今後１年ぐらいウォッチ対象技術。